症状・悩み別

犬のホットスポットは自然に治る?見た目より広いことも。原因・治し方・病院までにしてはいけないことを獣医師が解説

きゃん

※この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。紹介するフードは、獣医師が公式の原材料表示を確認しています。

「朝はなんともなかったのに、夕方には首のあたりがジュクジュクしてハゲている」

「自然に治るなら、様子を見てもいい?」

愛犬にこんな皮膚を見つけて、あわてていませんか?

それは、ホットスポットという急な皮膚炎かもしれません。

結論から言うと、自然に治るのを待たず、その日か翌日には病院へ行ってほしい皮膚炎です。

多くは数時間〜1日で広がり、毛の下では見た目より広くなっていることが多いからです。

動物病院で毎日皮膚の相談を受けている現役の獣医師として、見分け方、病院までにしてよいこと・しないこと、治るまでの目安をまとめました。

この記事でわかること
  • ホットスポットは自然に治る?様子を見ていい?
  • ホットスポットとは何か、原因と見分け方
  • 病院に行くまでにしてよいこと・しないこと
  • 病院での治療と、治るまでの目安
  • くり返すときに考えたい「奥の原因」と予防

結論:自然に治るのを待たず、その日か翌日に受診を

ごく小さく、すぐに乾いていくものなら、自然に落ち着くこともあります。

でも、多くは数時間〜1日で広がるので、様子見はおすすめしません。

犬はかゆい所をなめ続けるので、家で見ているだけでは悪循環が止まりにくいからです。

もうひとつの理由が、見た目より広がっていることです。

毛が多い子だと気づくのが遅れて、毛を刈ってみると、見た目より広がっていることが多いです。

ホットスポットは、毛の下でジュクジュクが広がります。

表面の毛がぬれて束になっているだけに見えても、その下では皮膚がただれていることがあります。

とくにゴールデン・レトリーバーやラブラドールなど、下毛が多く毛が密な子は見つけにくいです。

「小さいから大丈夫」と思わずに、早めに診てもらうことが、早く治すいちばんの近道です。

🩺 獣医師メモ:受診の前に、見つけたときの写真を撮っておくと便利です。何時ごろから、どのくらい広がったかを伝えられると、先生も判断しやすくなります。

ホットスポットとは?原因と見分け方

ホットスポットは、病院では「急性湿性皮膚炎」や「化膿性外傷性皮膚炎」と呼ばれます。

かゆい所や痛い所を、犬が自分でなめたりかいたりして、皮膚が急にただれる皮膚炎です。

ぬれた皮膚に細菌が増えて、さらにかゆくなり、またなめる、という悪循環で一気に広がります。

犬のホットスポットの見分け方:数時間〜1日で急に広がる、ジュクジュクしている、毛が束になって固まる、さわると痛がる、首・耳の下・腰・しっぽの付け根に多い、毛の下では見た目より広い

いちばんの特徴は、急に出て、ジュクジュクしていることです。

首、耳の下、ほお、腰、しっぽの付け根にできやすく、多くは1か所です。

さわると痛がったり、いつもより気にしてなめ続けたりします。

病院に行くまでにしてよいこと・しないこと

病院に行くまでの間は、これ以上なめさせないことがいちばん大切です。

ホットスポットで病院に行くまでにしてよいこと(エリザベスカラーや服でなめさせない、写真を撮る、早めに予約する)と、しないこと(人の塗り薬を塗る、ガーゼでふさぐ、自分で毛を刈る、ゴシゴシ洗う)

してよいこと

エリザベスカラーや服で、なめたりかいたりできないようにします。

写真を撮って、病院に予約の電話をします。

まわりの毛がぬれていたら、清潔なタオルでそっと押さえて水気を取ります。

しないこと

ホットスポットで家ではしないこと
  • 人の塗り薬(リンデロンなど)や市販薬を自己判断で塗らない
  • ガーゼや絆創膏でふさがない(蒸れてかえって広がる)
  • 自分で毛を刈らない(痛がって暴れ、ケガのもとに)
  • 消毒液やシャンプーでゴシゴシ洗わない

人の塗り薬は、犬がなめてしまうことがあり、原因に合わないと悪くなることもあります。

ステロイドや抗菌薬が入った薬もあるので、使うかどうかは先生に決めてもらいましょう。

人間用の塗り薬については、膿皮症の記事でもくわしく解説しています。

病院での治療と、治るまでの目安

病院では、まず患部のまわりの毛を刈って、本当の広さを確かめます。

毛を刈ってみると、見た目より広がっていることがよくあります。

そのあと、ただれた所をきれいに洗い、乾かします。

治療目的
毛を刈る・洗う広さを確かめる。蒸れを取り、薬が届くようにする
塗り薬・スプレー炎症とかゆみをおさえる。細菌を減らす
飲み薬かゆみ止め。深いときは抗菌薬
エリザベスカラーなめる・かくの悪循環を止める

軽いものなら、治療を始めて数日でジュクジュクが乾き、1〜2週間ほどで落ち着くことが多いです。

かさぶたができて、毛が生えそろうまでは、もう少し時間がかかります。

毛の根元まで炎症が深いときは、抗菌薬を長めに使うこともあります。

かゆみ止めの薬は、犬のかゆみ止めの記事で比べています。

膿皮症・湿疹とのちがい

ホットスポットとよく似た皮膚炎に、膿皮症があります。

どちらも細菌が関わりますが、出かたがちがいます。

ホットスポット膿皮症
出かた1か所が急に何か所もじわじわ
見た目ジュクジュク・毛が束になる赤いブツブツ・丸い赤み+ふちにフケの輪
かゆみ・痛み強くなめる・痛がるかゆみはいろいろ
できやすい所首・耳の下・腰・しっぽの付け根お腹・わき・内もも・胴まわり

膿皮症のくわしい見分け方は、膿皮症の記事にまとめています。

体のあちこちが赤いときは、犬の皮膚が赤いときの記事で場所ごとに確認できます。

くり返すときに考えたい「奥の原因」

ホットスポットは、かゆみのきっかけがあって起こります。

同じ所に何度もできるときは、きっかけになっている「奥の原因」を探すことが大切です。

できた場所考えたい奥の原因
耳の下・ほお外耳炎(耳がかゆくて、後ろ足でかく)
腰・しっぽの付け根ノミアレルギー、肛門のう(おしりの袋)のトラブル
顔・わき・内もも・体のあちこちアトピー、食べ物のアレルギー
足先なめ癖、指の間の炎症

たとえば、耳の下にくり返しできる子は、耳のかゆみが原因のことがあります。

耳がにおう、頭を振るなどのサインがあれば、外耳炎の記事も参考にしてください。

腰やしっぽの付け根は、ノミアレルギーが出やすい場所です。

ノミアレルギーは少しのノミでも強くかゆくなり、ノミが見つからないことも多いので、見えなくても予防薬を続けましょう。

しっぽの付け根やおしりまわりをかゆがる原因は、おしり・しっぽの記事にまとめています。

体のあちこちがかゆい子は、食べ物のアレルギーの記事で、かゆい場所の特徴を確認できます。

🩺 市販のフードから選ぶなら|獣医師が原材料を確認した2つ
※アレルギーかどうかを確かめる8週間は、病院の療法食が基本です。確かめたあとに、市販のごはんを選ぶときの候補です。
金虎 おさかな(国産)
まぐろ・かつおが中心。肉・卵・乳・小麦は不使用(大豆・ごまは使用)。1kg×2袋 税込6,600円、お試し400gあり。
獣医師の確認を読む公式サイト →
ペロリコ アレカット
分解したターキーが中心。牛・豚・鶏・卵・牛乳・小麦・大豆は不使用(緑イ貝・酵母は使用)。2kg 税込5,852円。
獣医師の確認を読む公式サイト →

季節と予防のコツ

ホットスポットは、蒸し暑い梅雨〜夏に増えます。

毛の中に湿気がこもると、皮膚がふやけて細菌が増えやすくなるからです。

ホットスポットを防ぐ4つのコツ
  • シャンプーや雨・水遊びのあとは、毛の根元までしっかり乾かす
  • 換毛期は、下毛(アンダーコート)をこまめにとかして毛玉をつくらない
  • シャンプーやバリカンは、毛の流れに沿って行う(逆らうと毛穴を傷めて皮膚炎のもとに)
  • ノミ予防を続け、耳やアレルギーなどかゆみの元を治療しておく

生乾きのまま寝てしまうと、毛の奥だけ湿った状態が続きます。

ドライヤーは、手で毛をかき分けながら、根元に風を当てるのがコツです。

よくある質問

Q
ホットスポットは、ほかの犬や人にうつりますか?

うつりません。

多くは、自分でなめたりかいたりして皮膚が傷つき、そこで細菌が増えたものです。

Q
リンデロンなど、人の塗り薬を使ってもいいですか?

自己判断では使わないでください。

なめてしまうことがあり、原因や広さに合わないと悪くなることもあります。

病院で犬に合った薬を出してもらいましょう。

Q
毛はまた生えてきますか?

多くは生えてきます。

深いところまで傷んだ場合は、生えるまで時間がかかることがあります。

Q
治療費はどのくらいかかりますか?

広さや、飲み薬が必要かどうかで変わります。

小さいうちに受診するほど、毛を刈る範囲も薬も少なくて済みやすいです。

まとめ|ホットスポットは自然に治るのを待たず、早めに受診

この記事のまとめ
  • ホットスポットは、なめる・かくでできる急な皮膚炎。数時間で広がることもある
  • 毛の下では見た目より広いことが多い。とくに毛が多い子は要注意
  • 自然に治るのを待たず、その日か翌日には受診
  • 病院までは、なめさせない。人の薬・ガーゼ・自分で毛刈りはしない
  • くり返すなら、耳・ノミ・アレルギーなど奥の原因を探す

※この記事は一般的な情報です。

気になる症状があるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。

📚 参考文献
・Holm BR, et al. (2004). A prospective study of the clinical findings, treatment and histopathology of 44 cases of pyotraumatic dermatitis. Vet Dermatol.
・Hillier A, et al. (2014). Guidelines for the diagnosis and antimicrobial therapy of canine superficial bacterial folliculitis. Vet Dermatol.
・伊従慶太(2018)『獣医皮膚科専門医が教える 犬のスキンケア パーフェクトガイド』interzoo
・村山信雄 監修(2019)『伴侶動物の皮膚科・耳科診療』緑書房

ABOUT ME
きゃん
きゃん
獣医師 / ペット健康ノート 運営者
動物病院で犬・猫の診療を続ける現役獣医師。皮膚のかゆみ・赤み・外耳炎の相談を毎日受けています。犬の健康管理アプリの監修も担当。診察室で伝えきれない「食事でできること・受診の目安」を、論文をもとにわかりやすくまとめています。ラグドールと暮らしています。
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