症状・悩み別

犬のサイトポイントが効かないのはなぜ?効果・副作用・費用・アポキルとの違いを獣医師が解説

きゃん

「サイトポイントを打ったのに、まだかゆがっている…」

「月1回の注射を、このままずっと続けて大丈夫かな…」

サイトポイントをすすめられて、こんな疑問を感じていませんか?

サイトポイントは、かゆみの信号をピンポイントで止める、月1回の注射薬です。

ただ、かゆみの原因によっては、思ったほど効かないこともあります。

動物病院で毎日皮膚の相談を受けている現役の獣医師として、効かないときに考えることや副作用、費用をわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • サイトポイントはどんな薬で、いつから効くか
  • サイトポイントが効かないときに考えること
  • 副作用と、長く続けても大丈夫か
  • アポキル・ゼンレリアとの違いと、一緒に使えるか
  • 費用の目安

サイトポイントとは?どんな薬?

サイトポイントは、犬のアトピー性皮膚炎や、アレルギー性皮膚炎のかゆみをおさえる注射薬です。

成分は「ロキベトマブ」という、犬のために作られた抗体です。

かゆみを起こす信号(IL-31)にくっついて、その働きを止めます。

1か月に1回、皮膚の下に注射します。

犬のかゆみ止め4つの違い:ステロイド・アポキル・ゼンレリア・サイトポイント

アポキルやゼンレリアは毎日の飲み薬ですが、サイトポイントは月1回の注射です。

薬を飲ませるのが苦手な子や、毎日の投薬が負担になっているご家庭にも使いやすい薬です。

サイトポイントはいつから効く?どのくらい続く?

早い子では、注射した翌日からかゆみが減り始めます。

海外の試験では、注射の次の日からかゆみの点数が下がり始め、1〜2週間でさらに下がっていました。

サイトポイントの時間の目安
  • 効き始め:早ければ翌日
  • しっかり効く:1〜2週間ほど
  • 効き目が続く期間:およそ1か月(犬によって差がある)

効き目が続く期間は、犬によって違います。

1か月もたずにかゆみが戻る子もいれば、もっと長く落ち着いている子もいます。

次の注射のタイミングは、かゆみの戻り方を見ながら先生と決めましょう。

サイトポイントが効かないのはなぜ?考えられる原因

「打ったのに効かない」という声は、実はめずらしくありません。

サイトポイントが止めるのは、かゆみを起こす信号のうちの1つだけだからです。

サイトポイントが効きにくいときに考えること:菌やカビ・ノミやダニ・舐め壊し・食べ物のアレルギーなどほかの原因

皮膚で細菌やマラセチアが増えていると、そのかゆみはサイトポイントでは止まりにくくなります。

ノミやダニ(疥癬など)によるかゆみも、別の治療が必要です。

舐め壊して皮膚がこわれていると、それ自体がかゆみや痛みの原因になります。

食べ物のアレルギーが重なっている子は、食べ物を見直さないとかゆみが残ることがあります。

薬の説明書でも、細菌やカビ、寄生虫の感染を調べて治療することがすすめられています。

くり返し使ううちに、効きにくくなることも

まれに、体がサイトポイントに対する抗体を作り、効き目が弱くなることがあります。

「前は効いていたのに、最近効かない」と感じたら、先生に伝えましょう。

効かないと感じたら、先生に伝えたいこと
  • 注射してから何日くらい効いていたか
  • かゆがる場所(耳・足先・お腹・お尻など)
  • ベタつき・におい・ブツブツがあるか
  • 最近、フードやおやつを変えたか

感染の治療や、薬の組み合わせを見直すと、また効くようになる子もいます。

マラセチアについてはマラセチア皮膚炎の記事、細菌の感染については膿皮症の記事でくわしく解説しています。

サイトポイントが効かない子はもう一度、かゆみの原因となるものを確認して、あればその治療、なければ薬の変更を行う。

サイトポイントの副作用は?長く続けても大丈夫?

サイトポイントは、副作用が少ない薬として知られています。

成分がタンパク質でできた抗体で、かゆみの信号だけに働くからです。

海外の試験では、吐く・下痢などが一部の子で見られましたが、比べた飲み薬(シクロスポリン)より少ない結果でした。

タンパク質の薬なので、まれにアレルギーのような反応が出る可能性はあります。

サイトポイントを使えない犬
  • 体重1.5kg未満の子
  • 妊娠中・授乳中の子
  • 交配する予定の子

説明書では、使えるかどうかは年齢ではなく、体重で決められています。

子犬に7か月続けて注射した試験でも、薬による大きな問題は見られませんでした。

注射のあとに元気がない、何度も吐く、顔が腫れるなどの様子があれば、すぐに病院へ連絡してください。

アポキル・ゼンレリアとの違いは?一緒に使える?

いちばんの違いは、「毎日の飲み薬」か「月1回の注射」かです。

サイトポイント(注射)とアポキル・ゼンレリア(飲み薬)のちがい:回数・効き始め・働き方・使えない子

飲み薬は、かゆみの強さに合わせて、量や回数を細かく変えられるのが強みです。

注射は、薬を飲ませる手間がなく、飲み忘れの心配もありません。

サイトポイントは、アポキルやゼンレリア、ステロイドなどと一緒に使うこともあります。

アポキルの副作用については、アポキルの副作用の記事で解説しています。

かゆみが強い時期は飲み薬を足し、落ち着いたら注射だけにする、という使い方もあります。

組み合わせは、かゆみの強さや皮膚の状態を見て、先生が決めます。

薬ごとの違いは犬のかゆみ止めの記事、ステロイドについてはステロイドの副作用の記事にまとめています。

サイトポイントの費用はどのくらい?

サイトポイントの費用は、体重によって変わります。

体重が重い子ほど、使う薬の量が多くなるからです。

費用は病院によって差があるけど、1ヶ月効くタイプの薬は他の薬剤でもそれなりの値段であることが多い。

毎月かかる費用なので、続けられるかどうかも含めて、遠慮なく先生に相談しましょう。

ペット保険に入っている場合は、補償の対象になるか、保険会社に確認してみてください。

注射の効き目を生かすには、かゆみの「土台」を整えることも大切です。

食べ物のアレルギーが重なっている子は、フードを見直すとかゆみが落ち着くことがあります。

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よくある質問

Q
サイトポイントは、何回打てばいいですか?

決まった回数はありません。

かゆみが出やすい季節だけ打つ子もいれば、1年を通して続ける子もいます。

かゆみの様子を見ながら、先生と決めましょう。

Q
ずっと続けても大丈夫ですか?

毎月くり返し使うことを前提にした薬で、長く続けている子も多い薬です。

ただ、効き目が落ちてきたと感じたら、そのままにせず先生に伝えてください。

Q
腎臓や肝臓に負担はかかりますか?

サイトポイントは抗体の薬で、肝臓や腎臓で分解されるタイプの薬ではありません。

そのため、腎臓や肝臓に持病がある子にも使いやすい薬です。

持病がある子は、念のため先生に伝えておきましょう。

Q
食べ物のアレルギーにも効きますか?

今の説明書では、アトピー性皮膚炎の症状と、アレルギー性皮膚炎のかゆみをやわらげる薬として認められています。

食べ物のアレルギーが原因のかゆみは、まずフードを見直すことが大切です。

Q
子犬や猫にも使えますか?

犬では、年齢ではなく体重1.5kg以上かどうかで決められています。

日本で認められているのは犬だけなので、猫には使いません。

まとめ|効かないときは「ほかの原因」を一緒に探す

この記事のまとめ
  • サイトポイントは、かゆみの信号を止める月1回の注射薬
  • 早ければ翌日から効き、効き目はおよそ1か月続く
  • 効かないときは、菌やカビ・ノミやダニ・舐め壊し・食べ物など、ほかの原因が隠れていることが多い
  • 副作用は少ないが、体重1.5kg未満・妊娠/授乳中・交配予定の子には使えない
  • 飲み薬と一緒に使うこともある。組み合わせは先生と相談する

かゆみの土台を整える方法は、アトピー性皮膚炎の記事も参考にしてください。

※この記事は一般的な情報です。

薬の使い方や間隔は、必ずかかりつけの獣医師と相談してください。

📚 参考文献
・農林水産省 動物医薬品検査所「動物用医薬品等データベース:サイトポイント」(添付文書)
・ゾエティス・ジャパン「サイトポイント 添付文書」(2020年9月改訂。海外臨床試験のデータ)
・Moyaert H, et al. (2017). A blinded, randomized clinical trial evaluating the efficacy and safety of lokivetmab compared to ciclosporin in client-owned dogs with atopic dermatitis. Vet Dermatol.
・Olivry T, et al. (2015). Treatment of canine atopic dermatitis: 2015 updated guidelines from the International Committee on Allergic Diseases of Animals (ICADA). BMC Vet Res.

ABOUT ME
きゃん
きゃん
獣医師 / ペット健康ノート 運営者
動物病院で犬・猫の診療を続ける現役獣医師。皮膚のかゆみ・赤み・外耳炎の相談を毎日受けています。犬の健康管理アプリの監修も担当。診察室で伝えきれない「食事でできること・受診の目安」を、論文をもとにわかりやすくまとめています。ラグドールと暮らしています。
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