犬の皮膚が赤いのはなぜ?かゆくない赤みや赤いできもの、場所でわかる原因を獣医師が解説
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「お腹をなでたら、皮膚が赤くなっていた」
「赤いけど、かゆがってはいない。これって大丈夫?」
愛犬の皮膚の赤みに気づいて、こんなふうに迷っていませんか?
皮膚の赤みは、「どこが赤いか」と「かゆがっているか」で、考える原因が大きく変わります。
動物病院で毎日皮膚の相談を受けている現役の獣医師として、場所でわかる原因、かゆくない赤み、赤いできもの、受診の目安をまとめました。
- 赤い場所でわかる原因(くわしい記事への案内つき)
- かゆい赤みと、かゆくない赤みのちがい
- 赤いできもの・赤い点々が出たときのこと
- すぐ病院に行きたいサイン
- おうちでしてよいこと・控えたいこと
まず「どこが赤いか」と「かゆいか」を見る
皮膚が赤い子を診るときは、まず炎症の場所と、かゆみがあるかどうかを見ます。
赤い場所によって、よくある原因がちがいます。
また、かゆがっているかどうかで、アレルギーや感染なのか、それ以外なのかの見当がつきます。
まずは明るい所で、赤い場所と、なめたりかいたりしていないかを見てあげてください。
赤い場所でわかる原因

| 赤い場所 | よくある原因 | くわしい記事 |
|---|---|---|
| お腹・わき・内もも | 膿皮症(細菌)、アレルギー、マラセチア | 膿皮症/マラセチア |
| 足先・指の間 | なめすぎ、指間炎 | 足なめ・指間炎 |
| 肉球 | なめすぎ、やけど、凍結防止剤 | 肉球が赤い |
| 目・口のまわり | アレルギー、涙やけ、こすり傷 | 目の周りが赤い |
| 耳 | 外耳炎(奥にアレルギーがあることも) | 外耳炎 |
| 背中・しっぽの付け根 | ノミアレルギー | ― |
| 一部だけ急に赤くジュクジュク | ホットスポット、虫刺され、ケガ | ― |
背中やしっぽの付け根が赤く、かゆがるときは、ノミアレルギーのことがよくあります。
ノミの姿が見えなくても起こるので、ノミの予防薬を続けているか確かめましょう。
一部だけ急に赤くジュクジュクしたときは、ホットスポットという急な皮膚炎のことがあり、広がりやすいので早めに受診してください。
ホットスポットの見分け方と、病院までにしてはいけないことは、犬のホットスポットの記事にまとめています。
かゆい赤み・かゆくない赤み

かゆい赤み:アレルギー・感染・ダニ
なめる、かく、体を床にこすりつけるときは、かゆみのある赤みです。
アトピーや食べ物のアレルギー、細菌やカビの感染、ダニなどが考えられます。
かゆみ止めの薬のちがいは、犬のかゆみ止めの記事で比べています。
かゆくない赤み:こすれ・やけど・内出血・できもの
かゆがっていない赤みは、首輪や服のこすれ、熱い道やドライヤーでのやけどのことがあります。
新しい薬やシャンプーを使い始めてから赤くなったときは、その反応のこともあります。
かゆくない赤みの中には、すぐ病院に行きたいものもまざっているので、次の章もあわせて見てください。
赤いできもの・赤い点々が出たときは
いちばん多い質問は、「赤いできものができたら、どうすればいい?」です。
赤いできものは、毛の根元の炎症(おでき)のことも、イボや腫瘍のことも、ホットスポットのこともあります。
イボやしこりのことは、イボ・しこりの記事にまとめています。
見た目だけでは区別がつかないので、大きさを測り、写真を撮って、早めに病院で調べてもらいましょう。
押しても色が消えない、赤や紫の小さな点々が出たときは、皮膚の下の出血(内出血)のことがあります。
血が止まりにくくなる病気のサインのこともあるので、すぐに受診してください。
かさぶたのように見えるできものは、かさぶたの記事で見分け方をまとめています。
すぐ病院に行きたいサイン
- 赤みが急に広がる・顔やまぶたが腫れる
- 押しても消えない赤い点々(内出血)がある
- ジュクジュクして、においがある
- 赤いできものが大きくなる・出血する
- 元気や食欲がない、ぐったりしている
とくに顔が急に腫れたときは、虫刺されや薬などのアレルギー反応のことがあり、急いで受診が必要です。
おうちでしてよいこと・控えたいこと
| してよいこと | 控えたいこと |
|---|---|
| 赤い場所と、かゆがり方を写真やメモで残す | 人間用の塗り薬や消毒液を使う |
| なめるなら、エリザベスカラーや服で守る | ゴシゴシこする・洗いすぎる |
| 首輪や服がこすれていないか見直す | 前にもらった薬の残りを自己判断で使う |
| ノミの予防薬を続ける | 赤いできものを様子見し続ける |
人間用の塗り薬は、なめると心配な成分が入っていることがあり、原因に合わないと悪くなることもあります。
薬を使う前に、かかりつけの先生に相談しましょう。
くり返す赤みは、アレルギーも考える
お腹・足先・目や口のまわり・耳など、いくつもの場所が赤くなって、くり返すときは、アレルギーのことが多いです。
季節でくり返すならアトピー、季節に関係なく続くなら食べ物のアレルギーも考えます。
食べ物が原因かを確かめるには、病院の療法食に切り替えて、8週間ほど様子を見ます。
体のどこがかゆいかで見分ける方法は、食べ物のアレルギーの記事、季節でくり返すかゆみはアトピーの記事にまとめています。
よくある質問
- 赤いときはシャンプーしてもいいですか?
-
軽い赤みなら、低刺激のシャンプーでやさしく洗い、よく乾かしてかまいません。
ジュクジュクしている、痛がるときは、先に病院で相談しましょう。
- ネットの画像と見比べて判断してもいいですか?
-
見当をつける助けにはなりますが、同じように見えて原因がちがうことがよくあります。
写真を撮っておき、病院で見てもらうときに役立ててください。
- ストレスで皮膚が赤くなりますか?
-
ストレスで体をなめたりかいたりして、赤くなることはあります。
ただ、まずは皮膚の病気がないかを確かめるのが先です。
- 子犬や老犬でも同じですか?
-
子犬はニキビダニやカビ、老犬はホルモンの病気や腫瘍も考えます。
年齢によって見るポイントが少しちがうので、気になるときは早めに相談してください。
まとめ|皮膚の赤みは「場所」と「かゆみ」から
- まず、赤い場所と、かゆがっているかを見る
- お腹・足先・目や口・耳・背中など、場所で原因の見当がつく
- かゆくない赤みには、内出血やできものなど、すぐ受診したいものもある
- 赤いできもの・赤い点々は、早めに病院へ
- 人間用の薬は使わない。くり返すならアレルギーも考える
※この記事は一般的な情報です。
気になる症状があるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
📚 参考文献
・Hensel P, et al. (2015). Canine atopic dermatitis: detailed guidelines for diagnosis and allergen identification. BMC Vet Res.
・Hillier A, et al. (2014). Guidelines for the diagnosis and antimicrobial therapy of canine superficial bacterial folliculitis. Vet Dermatol.
・Olivry T, Mueller RS, Prélaud P. (2015). Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (1): duration of elimination diets. BMC Vet Res.
